try swift 2017 感想
書く書く詐欺になっていたので,ついに筆をとります. よかったところ,改善を希望するところ,まとめ,の3つにわけて述べます.
よかったところ〜色々
try swiftは,去年から始まった,swiftに関する(これはのちに違うことがわかる)国際カンファレンスです.
- Objective-C, C/C++なんかよりはモダンに綺麗に書ける.(ただし,C++については・・・わからない)
- 割と速い
- 関数型言語っぽく書けるところ素敵,そして,私に関数型言語を勉強するきっかけをくれた
- optionalは,最初は戸惑うが,使うとかなりよい.
辺りが,私のSwiftの好きなところです.そんな言語を専門的に議論する国際会議なら,参加しない手はないでしょう.
参加者は700人程度と,ちょっとした研究会やシンポジウムレベルの規模を誇ります. 今回は,新宿のベルファーレで行われ,さらに3日目の土曜日にはswiftで何かを作ろうというハッカソンも行われました. 会場は,綺麗だし,快適でした. また,スポンサー企業によるブースも楽しめました. ホスピタリティは高かったと思います.
私が特に良かったと思うセッションは,
でした.
Sequenceの発表では,(0, 1), (1, 2), (2, 3)…のようなペアを簡単に作れるコードとか,原理から紹介されて色々ためになりました.
let source = (0..<10).map({$0})
zip(source, source.suffix(from: 1)).forEach({print($0)})
fastlaneの開発者の発表は巨大化したコミュニティの運用の難しさをコードと人間性とbotでやりくしている様子が非常におもしろかったです. 特に,issueをbotで処理して行く発想は,すごいなぁ・・・と思いました. もしかすると,大規模に開発しているプロジェクトでは常識なのかもしれませんが・・・・.
よかったところ〜ハッカソン
手前味噌ですが,私もハッカソンに参加しまして,賞を3つもいただきました!
会場はゆったりしていて、開発中は電源、ネットワークも比較的安定していたと思います。 コーヒーやお菓子、お昼のお弁当も提供され、快適でした。 1組最大6人のチームが48チームが,黙々とコードを8時間近く書き,最後に審査,プレゼンという流れでした. 割と盛り上がって,楽しくコーディングできました. またあったら参加したいなと思うものでした.
余談をひとつ、私のチームが直面したすごくローカルな問題は、Airdropの混線です。 まぁ,これは,try swiftの運営の問題でなく,ただのよくある話のひとつです. 私のチームではplaygroundの開発していたのですが、iPadにMacBookから作成したファイルを転送するときに、Airdropを使うことになります。 しかしながら、会場中にiPad、iPhone、Macが多過ぎて、Airdropが安定せず、ほとんどファイルが転送できない事態になってしまいました・・・・・。 多くの人が一堂に会する場所で開発することがあればAirdropに頼らない開発環境を整えることが大切なようです・・・・・。 Workaroundとして,GoodReaderを使って転送することになりましたが大変でした.
改善を希望するところ
- Swiftの話が少ない.
- 技術的につっこんだ話が少ない.
try swiftというタイトルが示す通りの,「Swift」の話を聞くために私は参加しました. しかしながら.セッションはiOSのみの話が散見され,Swiftと本質的に無関係なものが多く見られました. この件を運営の人に尋ねると,タイトルは,try swiftだけど,基本的には,iOS全般,macOS全般の話題に関するカンファレンスだと言われました.
うーん,これは・・・・でも,確かにカンファレンス情報には,
“「try! Swift」はプログラミング言語Swiftに関するコミュニティ主催のカンファレンスです。ベストプラクティス、アプリケーション開発、サーバーサイドSwift、オープンソースSwiftなど、Swiftに関する技術情報とコミュニケーションを目的に2017年3月2日〜4日の3日間にわたって開催されます。”
って書いてあるし・・・・・・・.やっぱりswiftがメインでないと・・・・いけないんじゃないですかね・・・・・.
この辺は,コミュニティの運営に関わってくるところなので,一朝一夕に結論が出る議論ではないのですが,私としては,もうちょっと突っ込んだSwiftの技術的なセッションが欲しいです. あまりそこにこだわりすぎると,初心者お断り&内輪カンファレンスになってしまい・・・・コミュニティ盛り上がらない・・・・. バランスをどこにもってくるのがいいのかなぁ・・・・という思いです.
まとめ
日本で開催されたにもかかわらず,かなりの海外から多数の人が参加するカンファレンスでした. ここまで盛り上がるのは,一定数以上のSwiftをプログラミング言語として,支持するエンジニアが多数いるということの証拠なのかもしれません. ホスピタリティは,非常に高く,カンファレンスとしては,非常によかったと思いました. 内容は,多岐にわたり,老害エンジニアにもおもしろいと思えるセッションがあり,質疑応答も活発ないいカンファレンスだったと思います.
しかし,私は,タイトル通り,Swiftにフォーカスした,もっとディープなカンファレンスにして欲しい・・・・という感想を持ってしまいます.
とはいえ,Swiftが盛り上がっているのは事実です(サーバサイド等にいきなり実戦投入するのは,まだまだこれからという気もしますがw) そんな,いい感じの言語である,Swiftを推進するカンファレンスが今後ももっと盛り上げていけばいいなと思います.