Apple Watchは時計ではなかった
1週間.Apple Watchを使ってみました. 私は,時計をする習慣があり,そもそも手首に何かがついていることに違和感がなく,そのため,Apple Watchが初めて身につける腕時計であるとは違い,割となんなく1週間使い続けられた. そして,着け心地は総じて悪くない.
先に結論を言うとハードウェアはよいけど,ソフトウェアがダメかなぁ・・・・. んで,その感想の詳細を述べていくことにする.
電池寿命
問題なし. 優秀だと思う. 今のところ1日使って,帰宅時にバッテリ残量が30%を切っていたことはない.
通知端末として
これは普通. 割と,バイブレーションがわざとらしくない(心地よくはない). ちょったしたメッセージ,スケジュールの通知はこれで完璧. そもそも哲学として,時刻ではなくスケジュールさえわかれば,それでいいじゃんという生き方の人は,通知端末としてのApple Watchは完璧ではないかと思う. また,こないだの勉強会でも意見があったのだが,AppleWatchを目覚ましに使うと割と起きられるらしい. 私が,目覚ましに使ったところ,いまのところ,AppleWatch vs 睡眠の戦績は,3戦1勝である.
時計として
はっきり言って時計としてはダメ. AppleWatchっていわなきゃいいのにと思う. 普段,私は自動巻きの時計と,子供と暴れるとき用のG-SHOCKを見につけている. こういう私がAppleWatchを使うと,腕をあげてから時計の文字盤が表示されるまでのラグが長く感じられ,すごくイライラする. また,時計をチラ見しても(当然)ブラックアウトしているので,何も見えない点も時計として機能していない.
もう一点は,液晶を使っている限りどうしようもない問題なのだが,日中,外で文字盤を見ると視認性が悪い. この辺は,電子ペーパーみたいなデバイスを使わない限り,どうしようもない問題なのだろう・・・・.
アプリケーションと操作性
メッセージ系のアプリ,予定通知以外はダメダメ. これはアプリケーションのデベロッパにとって仕方がないとフォローできる面もあると思う. 彼らは,実機でのテストもほとんどなしでアプリを作ったはずで,ケースステディなんてローンチ時にアプリを公開するベンダーに実行できたはずがない.
そこで,一方,Appleは,色々試行錯誤できたはずだ. そのApple謹製のアプリの操作性やUXについて検討するために,AppleTVをApple Watchから操作してみた. これが,私にとってはっきりいって操作しづらいものであった. 左手を肘置きに置いて,左手につけた時計のタッチパネルを右手の人差指で触ると,操作中にだんだんと縦方向と横方向がずれていく. そして,あらぬ操作が行われて,結果画面を見たり,再度確認したりする必要が出てくるのだ. これは,iPhoneアプリのパラダイムをそのままApple Watchに持ってきたからだと私は考える. Apple謹製のアプリは,ローンチ当初はUIやUXの参考にならないといけないと思うので,この辺のブラッシュアップが急務のはずだ.
友達ボタン
不要. 意味不明. このボタンはどういう意図で追加されたのだろうか・・・・.
さらにこの先と現状への感想
来年に発表されるApple Watch2に期待!!という声があるかもしれないけど,それよりも課題はOSやアプリケーションだと私は思う. つまり,ハードウェアの観点から私にはそれほど不満が見当たらず,どちらかというと,私の不満の矛先はソフトウェアにあるということだ. 時計のデザインは,サードパーティによって変えられないし,アプリケーションもApple製であっても全般的にパっとしない. AppStoreで開発・販売環境が整えられている以上,デベロッパの責任の範疇なのかもしれないけど,Appleにはもうちょっとサードパーティに,自分たちが考えている使い方を垣間見せて欲しい. 現状がAppleのビジョンの全部だとすると失望を禁じ得ないし,Apple Watch2にも期待できない(また4万円払うのもねぇ).
ただ,この現状にまだ未知数でかつ可能性が残されているものがあるとすれば,HomeKitとの連携だと私は考える. そろそろHomeKit対応のデバイスがではじめるらしいし,BMW i8はすでに対応して色々できるらしい(時計以上に一般人に買える車ではないが). この辺の外部デバイスとの連携のキーとしてのApple Watchの価値を今後Appleは重視して,展開していくのだろうか. あるいはApple Watchのネイティブアプリが,度肝を抜くようなSDKで開発でき,以上のような失望や懸念を払拭するのだろうか. 次のマイルストーンは来月WWDCということになるだろう.
私は落選したけどね!!!!