1年前に出来たこと〜エンジニアとして何かしたかった
一年前,震災直後にみられた特定サーバへのアクセス集中を緩和するために,http://rcdn.infoというURL短縮サイトを立ち上げました.それに関する研究発表が賞をいただきました.http://www.ieice.org/cs/in/jpn/past/kenkyusyo.html
http://twitter.com/#!/takemaru_jp/status/180603781615058945
@takemaru_jpのツイートを見て思い出した.一応,何か貢献できたような気がしてうれしかったから.
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1年前の3月11日.日本を大地震と連れに伴う津波が襲った.
私は,インタラクション2011という学会で午前のオーラルセッションでの発表を終え,同僚とポスターセッションで発表している最中に地震に遭遇した.
ビルは信じられないくらい揺れて,本気で死ぬかと思った.その動画はあの状況下でビデオを撮った方たちのものがYouTubeにいくつか上がっている.
その後は,1日お台場に閉じこめられ,次の日に帰宅することが出来た.
お台場でじっとしていた最中と帰宅後にテレビやネットから伝わってくる情報に言葉を失った.
そして,残念ながら,今日も地震,津波の被害,それに伴う原子力発電所の事故の被害も収拾はついていない.
そんな中で,エンジニアの中に自分の得意分野で何か貢献できればと考えた人は少ないくないと思う.
Google Person Finderがまさにそれだと思う.Googleのやっていることを応援したり,見ていたときに何かしたいなって,少なからず思ったと思う.
そんなとき,前の職場の人のツイートを見かけた.
彼は,震災の情報を配信するサーバのアクセス集中を緩和するため,コンテンツ分散サービスにURLを置き換える活動をしようとしていた.
その必要性と課題は何だったのか.
あの震災の最中,地方自治体や病院,有志の個人による被災に関する情報配信に日本中,世界中からアクセスが集中した.
GoogleやYahooのようなサイトならいざしらず,そんな配信サーバはアクセス集中によってダウンしてしまう.
生存情報やインフラの情報,物資の不足を訴えるサイトが,それに答えようとする人のアクセスによって一瞬で飛んでしまう.これは由々しき自体である.
そこで,@takemaru_jpは,CoralCDNと呼ばれるコンテンツ配信負荷分散で,それに対処しようとしたのだ.
しかし,残念ながら,TwitterでURLをそのまま張らずに一旦,CoralCDNでURLを変換してから,それをツイートするというのは,ユーザにとって非常に面倒くさい.
このため,この負荷分散の仕組みがうまく浸透しないのではないかと私は考えていた.
そのときに,第三者ながら(そのときは)「なら,bit.lyの仕組みと組み合わせて,短縮ついでに分散ミラーのURLにしちゃえばいいんじゃね?それだとツイートのモチベーションに合致するし,クライアントに組み込めるし」とつぶやいたのが縁で,急きょURL短縮+コンテンツ分散URL作成サイトのお手伝いをすることになったのであった.
私は,公開当初のサイトのトップページのデザインとかを担当したのだが,後は別の方が色々と調整してくださったようだ.
それだけに,私のcontirbutionは,あんまり大きくない(というか,ほとんど何もしてない)のだが,一応,参加したということで.
その後,そのサービスのアクセス状況などをまとめ,@takemaru_jpがそれを論文として投稿したものが,今回の受賞の運びとなったのだ.
こういった活動は,マスコミにとりあげられたしても本人たちがうまくアピールしないとその後の活動に結びつきにくい.特に個人的な活動の場合は,企業によるプロパガンダが期待できないためなおさらである.
このため,今回の論文発表は,私は意義が少なからずあると思っている.また,そう思い直して,このブログを書いている.
このときに参加したメンバーは,@takemaru_jp @nyasuda @nsnmsak@ar1 @mikiT_T @daiba,そして私.
このサービスでいくつのサーバをダウンから救えたなら,少しでも何かに貢献できてよかったと思う.