携帯電話の開発環境はもう変わった.
Yahoo Mobileが以降,iPhone以外の端末へアプリは,ウェブアプリとして開発していくことを決めたらしい.
これは,結局,iPhone上では,Webアプリを作るのも,ネイティブアプリを作るのも,あまりコストが変わらないのではということなのかと私は考える.
http://www.techcrunch.com/2009/05/18/yahoo-mobile-abandons-its-blackberry-app-to-focus-on-the-iphone/
・この決断は・・・・.どういうことだろう.
ブラックベリーとか,アメリカの端末のことは知らないので,申し訳ないがその点は憶測になる.iアプリがまさにそうだが,プラットホーム側がUIを統一していない.Brewにもあまり強力なUIフレームワークはないらしい(伝え聞いたところ).
こういう条件下では,同一プラットホーム下であるにも関わらず,アプリベンダー間でUIがばらばらになりやすい.統一された作法やUIフレームワークがなければ,独自に使いやすさを目指していく必要があり,そのために各ベンダーは自前でUIフレームワークを作る必要が出てくるわけだ.個々のネイティブ環境毎に自前のUIフレームワークを作るなんて,Adobeみたいなネイティブソフトウェアが主な収入源でもなければ,投資に見合ったリターンはかなり期待できないと考える.
YahooのようなWebサービスが主眼の会社であれば,ネイティブ環境でUIフレームワークを個々のベンダー毎に作るなんて,バカな投資はしないだろう.
にも関わらず,YahooはiPhoneだけネイティブアプリを作ることにした.これはどういうことだろう.私は,こう考える.UIKitの完成度と生産性が高いので,WebアプリをiPhone上で作るのと,ネイティブアプリを作るのとでは,あまりコストが変わらないのでは?iPhone上で動くアプリケーションを使ったエッジユーザの感想や,現時点での話題性も含めて,考えているとは思うが.
今後,携帯のOSやキャリア側の人間にとっては,ネイティブのアプリケーションあるいはWebアプリケーションの豊富さは,今までも,これからもシェア向上のためのキーであることには間違いない.
・これからは携帯にもUIのフレームワーク,SDKの充実が・・・なされるのだろうか.
Webアプリケーションは携帯電話環境にJavascriptの実行環境が実現され始めた今,ますます各環境毎に差がなくなりつつある.このWebアプリケーションによる売り上げはiモードのビジネスモデル(いわゆる月額課金とトップページを抑えるモデル?)を超えることはないだろうし,今後は,AppStoreのような新しい売り切り型のコンテンツビジネスとの共存が始まるだろうと私は思う.iモードのビジネスモデルは当分壊れないだろう.キャリアもコンテンツ提供者も儲かっているし.
そこで,中国や新興国以外の新しいビジネスのパイ生地になるであろうAppStoreのようなアプリケーションの売り切りをやりたいのであれば,まさにUIフレームワークの充実が今後のキーとなるはずだ.iPhoneみたいに簡単に開発できる環境であっても,企業がメインでAppStoreでビジネスをやるのはつらいと言われている.それなのに,拷問のような従来の携帯電話の開発環境では,そのようなお金の流れを埋めるとはとうてい思えないんだ.
駄文,乱文,いい気分.