OpenCVの中の人が講演するということで,東大で開催されたWillow Garageの講演会に行ってきた.しかも人生で初めての東大赤門をくぐってきた
Willow Garageは,ロボットのオープンソースライブラリを作っているベンチャー企業でOpenCV,octaveなどを含む多くのオープンソースのライブラリを開発,メンテナンスしていることで知られる.っていうか,それ以外はやってないっぽい.
IMPACTを社会に与えることが重要だと考えており,お金よりもインパクトだ!とWillow Garageの社長がビジョンを語った.
マイクロソフトも最初はガレージだった.しかし,後にそのマーケットと売り上げは指数関数的に上昇した.ロボットのマーケットもそうなるとWillow Garageは考えている.そして,Willow Garageが今すべきことは,その指数関数的増大を早めるようにすることだと考えているようだ.
すごい会社だ.よくお金が集まるなぁ・・・.
次は,Gary Bradski氏の講演で,彼はOpenCV開発のリーダーだ.
最初は,人間の知覚の問題と絡めて,コンピュータビジョンの基礎と難しさについて,紹介.その中には,有名な人間の色恒常性なんかの説明もあり,結構プレゼンがおもしろかった.
参考:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Optical_grey_squares_orange_brown.svg
OpenCV自体は,ご存じのように画像処理,GUI,機械学習の3つの柱からなっており,ガンガン開発しているとのこと.1.0の辺り,一時期開発がストップしていたように見えていたので,私はあんまり使っていなかったのですが,最近はすごいですね・・・.VioraJohnsも入っているし,Boostも入っているし・・・・.なんでもありだ.プレゼン中で今後の開発スケジュールに3d feature extractionとか,Python interfaceとか,C++ interfaceがあげられていた.
講演の後,軽食付きの懇親会?っぽい時間の間にBradski氏に,「今後,もっともOpenCVで力をいれていきたい,そして重要だとあなたが思っている方面は?」と直接質問してみた.
答えは,interface.STLとか,C++でも開発しやすい環境を作っていきたいとのことだった.Bradski氏は,気さくな方で色々,知覚の話おもしろかったって伝えると,結構プレゼンを作るのに苦労したんだ〜みたいなことをおっしゃっていました.
こういう会社にお金が投下される辺り,アメリカの情報産業はやっぱり明るいのかと考えます.一方で,日本じゃこういう会社は成り立たないのか・・・と不思議に思い,またそれが実際に見られないことを残念に思いました.
OpenCV,色々もっと使い始めてみたい.